この素晴らしい住まいに祝福を

ハウステック、不動産テックに関してまとめたり、自分でやってみたりしてます

リノベーションの前提条件について調べてみた

リノベーションエキスポに行った時に、その道のプロの方が揃っているので、以前から気になっていたことを色々と質問してました。

 

yutarou-world.hatenablog.com

 

リノベーション、リノベーションと世間が騒いでいるわけですが、こういう風潮になったのは、国の方針の影響だったりとか市場価値があるので民間の関係でメディアでよく取り上げられるようになったわけですが、単純に何でもかんでもリノベーション出来るわけがないだろってことで、どういったものがリノベーションすべきかっということを専門の方たちとお話してました。

 

結論から言うと、やっぱり基礎設計と望むレベルによって変わってくるようです。

耐震にせいても、断熱性能にしても、後付で色々と付け加えることは出来るには出来るみたいです。ただ、それに比例してお金がかかってくるわけで、そうなると新築とあんまり変わらない値段に達するようです。

realestate.yahoo.co.jp

sumika.me

renove.live

ここから記事でも書かれているように旧建築基準法時代の住宅を耐震性能・断熱性も考慮してフルリノベーションすると規模にもよりますが、1千万後半から2千万は到達するのが見て取れます。勿論大きさにもよりますが。。。

こうなるとやっぱり新築住宅と大差ない値段になってきて、リノベーションの旨味が薄くなります。なので、町家だったり思い入れがある家を残したいみたいな特別な理由がない限り、無理やりリノベーションしても仕方ないって感じですね。

http://www.jresearch.net/house/jresearch/kizon/pdf/kizon08_04_comment.pdf

リクルートの住まい研究所の消費者調査を見ても、中古物件の価格に対して3分の1から半分くらいが希望してる人が多いでしょうし、”わからない”という意見から観ても似た価格なら新築を選ぶっていうのは分からんでもないです。

一応、今年の4月からホームインスペクションの結果説明が義務化されるので、分かる範囲での現状は分かるでしょうが、

realestate.yahoo.co.jp

個人的に思うのは分かる人しか通用しないような気がするんですよね。仮にインスペクションの説明を受けたとしても、それ以外のところで問題点が出ている可能性がありますし

そういった部分で不安要素がある以上、単純に義務化だけでは不足しているような気はします。なので、個人的に凄く革新的だなと思っているのがライフルさんの住宅評価認定サービスは、知識不足の不安を緩和できるんじゃないかなと思っています。

ホームインスペクションについて勉強不足なので、この評価の仕方に問題があるのかは判断つきませんが、方向性として凄く面白いので、いろんな住宅がこれの認定書をもらってたら不安が緩和しそうです。

lifull.com

 

 

 

リノベーションのメリットってやっぱり機能性の高くて、自分好みの家を新築より安価に獲得できるってことだと思うんですよね。ただ、その前提条件として購入する中古物件は十分なスペックと保守点検が必要不可欠という。日本だと存在自体は知っている人はいるんだけど、情報の不足や知識不足の不安で危ぶまれているって感じですね。

スペックの指標はライフの評価指標のようなものが機能性や省エネ部分含めてエンドユーザにわかりやすい・安心できる形で提供できるのが、まず必要ですよね。ドイツとか欧州がそういった指標を買い手に優しい形で提供しているという記事を以前見たことが有るので、今度調べて纏めてみようと思います。

あと、そういった明確な評価指標が出来た上で、中古住宅+リノベーションか新築かを比較検討できるようにするのが良いでしょうね。新築でも機能性やデザイン性を度外視すれば、ローコストに落とし込めます。売ることを前提にするならローコストは難しいことも有るでしょうけど、売るつもりがないとか、デメリットに付いて理解が有るなら、間違った選択では無いです。

ローコスト住宅と高性能住宅の建築費用の違い

ハウスメーカー選びはここを見ろ! - NAVER まとめ

一番問題なのは知らなくて後悔してしまうことなので、家を買おうとしている人に理解有る形で介入して、ちゃんと考えて比較検討して動いてもらえるようなサービス形態が必要ですねよね。せっかくインターネットがあるんですから。最近見たやつだとカヤックさんがつくったSuMiKaは個人的に面白いって感じました。建築士の方々が親身に相談に乗ってくれてるのが強いです。

www.kayac-living.com

リノベーションエキスポ2017に行ってきました

 

ちょっと前に京都で開催されたリノベーションエキスポ2017の方に参加してきました。

https://renovation-org.com/expo/2017/kyoto/

 

ツイッターで偶然知って、住宅の価値を高めることに関心がある私としては、之は参加せねばということで、参加してきました。

 

私が行った日曜日の目玉としてあったのが、いろんなリノベーション企業の方が、同じ依頼主の要望に沿って各人”本気”で構想するという企画です。

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シンプルに聴いててやっぱり楽しかったですね。やっぱり同じような要求でも作り手によってここまで変わってくるんだなというのが、ハッキリ見えましたし

そういった美術系や建築系の方たちは、リノベーション分野においては。エンドユーザと上手くマッチングさせるのが課題になってくるので、そういった意味でもHOUZZ(

https://www.houzz.jp/)といったサービスの発展が、人の住まいの満足度を高めていく上で重要だというのが感想です。

 

 

 

 

後之以外に、いろんな住宅系・建築系の企業さんが展示していましてなかなか楽しかったです。皆さんいろんな理念を持ってリノベ事業やってるんだなと感じました。

とりわけ印象に残ったのが、”未完成住宅”という企業さんです。

unfinished-house.com

 

どういった企業さんかというと、好きなレベルで家造りをとめてくれる業者さんなんですね。

よくあるハウスメーカーだと、色々と相談して設計図引いてという感じなんですが、ここは拡張性を重視して、基礎設計だけなら基礎設計だけ、壁紙とか床以降は自分がやりたいとか、そういうふうにしてパズルみたいな感じで自身がかなり主体となって家を作れるのがかなり強みですね。

今やっぱりDIYとかいろんなデザイナーさんが台頭してきたので、こういう新しい家の作り方は面白いです。

 

 

一昔前だったら住宅メーカーでしか難しかった家造りが、インターネットの普及にともなって色々と幅が広りつつあるたというのを改めて感じました。新築至上主義を悪いことのように書く記事も時々見ますが、やっぱり完全に自由な空間を基礎から作れるのは大きいですし、未完成住宅さんのような新しい新築のあり方は、日本の新築至上主義において相性は良いような気はします。

ただ、やっぱりミサワホーム等の大手ハウスメーカーのサポートはとても大きいですし、そこがやっぱり強いところなので、残っていってほしいです。

多様性大事です

 

 

不動産テック系の論文を読みました【BuildSense: Long-term, fine-grained building monitoring with minimal sensor infrastructure】

今年のBuildSys2017で気になる論文があったので読んでみました。
BuildSysっていうのは建築系のCSに関する学会です。
その中の1つを簡単に說明してきます。
タイトルを検索してもらったら原稿が公開されているので詳しい内容や図が見たい方は、そちらも合わせて読むがいいと思います。


どんな研究か
物理センサ、仮想センサを用いて建物を長期間監視するためのフレームワーク BuildSenseを提案・評価したという研究
ここでいう物理センサというのは実際におくセンサのことです。
仮想センサと言うのは、実際には置かないセンサつまるところ予測するセンサです。
⇨物理センサーの設置コスト管理コストを削減した上で目的に有った正確性と安定性を実現した。


なんでこういう研究が必要になるのか
日本ではどうかわからないけど、アメリカだと建造物からの消費エネルギー量が全体の2割になります
こういった建造物のエネルギー量を減らそうという話になった時に、方法としては以下の2つがある。
1:消費するエネルギーを最適化する(例:人が居ないのに電気付いたり空調を使ったりとか)
2:エネルギー効率の良い構造の家にする(例:断熱材、最新の空調機とか)
2とか建築系とかリノベ系のお話
今回はエネルギー効率を良くする方向で進める場合、建物内にセンサを設定して建物情報を取ろうという話になる
ただ、これをやる場合の一番の問題は設置コストと管理コストになります
情報量を多くしようと思ったら当然、必要となるセンサの数は多くなります。
なので現在の屋内センシングの1つの方向性として設置するセンサをいかに少なくしていくかというのがアプローチとしてあります。
それで、この研究も実際には設置してないんだけども、データが取得できる仮想センサと言うものを用いることで管理コストの削減を行っています。


どういうところが優れているのか
当然なんですけど、物理センサを仮想センサとして置き換えるという考えは前からありました。
ただ、この研究が以前の研究と異なっているのが、設置するセンサの選び方に有ります。
この仮想センサというは、予測してデータを取得します。
その予測というのは実際に存在する物理センサを元に予測します。
たとえば仮想センサAの値を予測するために、物理センサAとCのデータが必要になるとします。
当然センサは、故障したりします。そういった場合でも正常に仮想センサを動作させるためにセンチネルという監視用のセンサを用意しておきます。
このセンチネルを用いて物理センサと仮想センサに異常が起きていないかを確認します。
これが、許容する誤差を超える場合にはユーザに修理の通知を送ります。
もう1つは、一年を通してこの手法が通用するという点です。
屋内なので当然、時期によって環境が変わります。
今回の手法でやったら一年を通しても、そこまで大きな誤差が出なかったよとのこと


実験と評価について
評価実験にはオーストラリアのカルグーリという地域で行われました。
使用したお家は2つのタイプが合って、断熱材のあるものと無いものです。
建物の各所にセンサが設置されていて全部で150個ほどあります。
そのセンサからデータを収集・学習・仮想センサと物理センサの選択を行います。
14ヶ月間、予測値と実測値を比較して、全期間の8割のデータが誤差1度以下で動作したようです。
あと、どれだけの期間でやったのかはわかりませんが、一度以下の誤差であれば7割物理センサが必要なかったとのことです。


感想
今回の手法だと、仮想センサにするセンサを選ぶ前に、そもそもセンサを多数屋内に設置する必要が出てきます。
そのおかげで、どのセンサを予測できるのかということが出来るわけなんですが、
少なくとも一度は設置・回収を行わなくてはいけないんですね。
管理コストは劇的に少なくなるかもしれませんが、現実に落とし込むとナンセンスかなというのが個人的な感想です。
あと、一年間計測して誤差を見て8割以上のデータが誤差一度以下として安定して取れたと書かれていたんですけども、環境が限定的すぎて他のところはどうなのかなと。
今回の実験で使った家はオーストラリアのカルグーリという地域で実験を行いました。
オーストラリアの気温と降水量
比較的暖かい地方ということで、寒暖差が激しかったら反対の季節の誤差が大きそうな気がします。
ただ、仮想センサの値を求める方法が比較的にシンプルで、結構予測できるというのが面白かったです。
やり方としては、仮想センサAと物理センサBとCの差から求めてるみたいです
単純にその時間帯だけじゃなくて、24時間前まで遡って、その時間帯も含めて計算しているみたいです。
それに使ったのは単純にインフラとして設置された温度センサだけみたいですので、消費電力や家電の温度センサ、スマホの温度センサなど連携して幅を広げれば、結構強そうです。
実装も難しくなさそうですし、機会があればやってみたい。

不動産ジャパンのデータを解析してみよう1

中古物件の問題で記事書いたり、それ以外で考える日々が続きました。

そのうちで考えたものとして二束三文で買い叩かれている住宅です。

やっぱり、そういう物件が最も空き家になる可能性が高く感じたんですよ。

空き家の何が問題かって勿論放置したことによる事故とか怪我の危険性だけじゃなくてホームレスとか野良犬のすみかになることや、空き家がきっかけで家事になることとか、あとは景観的な問題がかわってくるところです。

海外の不動産がいいパフォーマンスで取引されていることの一つに、自分の住宅を資産として観ているというのがあります。そのために、自分の近隣に有る資産価値をさがる要因に対しては徹底抗戦しています。

日本でリクルートやライフルを始めとした企業や、国が中古住宅について問題視して色々対策を打って、円滑な販売モデルが確立するだろうなというのは思います。そこの要素の一つに地域そのもの要素も入ってくるのは間違いないわけです。

なので、景観やその他もろもろのプラスを下げる恐れのある空き家は無くすのが責務になります。

それで空き家になる物件って、実際にどういった共通点があるのかというのが気になって分析を行っていきたいと思います。場所とか築年数とか、そういった要因は確実にあるんでしょうけど、それ以外にどういったところがあるのかナマのデータで観てみたいのでやってみます。

 

大手企業は多分綺麗なデータベースをもって、ガリガリ分析やってるんだと思いますが、今現在存在していないので不動産ジャパンのデータをクロールして集めることにしました。(ごめんなさい)

 

今回集める対象とした物件は、中古物件で掲載されている価格が1000万以下のものを対象に情報を集めてみました。おそらく、この値段以下で出されているものは需要が低いものだと考えられるので、手始めにそこから調べてみようと思います。

 

github.com

 

Pythonで指定価格以下の中古物件を不動産ジャパンからクロールするスクリプトを作成しました。

之を使って1000万以下の物件を抽出して、テキストに吐き出しました。

f:id:xoggkllo00:20171009215929p:plain

こんな感じで出力しました。

次回以降で、このURL先の物件のページからデータを抽出し処理しやすいように整形して、きれいになったやつをDBに書き込んで、どういった共通点があるのか調べてみたいと思います。

不動産オークションについて考えてみた

一昔前でしたらゲームを売りたい、洋服を売りたいとなった時に中古買取屋さんに売りたいものを買い取ってもらっていました。それが今や、メルカリやヤフオク等の出現によって存在価値を失い、衰退していきました。

そういったCtoCサービスを利用している双方にも目的が有るわけで、購入者側は出来る限り安く、売る側は出来る限り高く売りたいと考えていることだと思います。ヤフオクはタイミングもありますが、基本的に相場近くにまで上がるので放置でも構いませんが、メルカリを自分で売値を指定するため、売り主が相場を事前に調べて、その価格を元に売値を設定して販売しています。

一般に販売されているものをサービスを使って流す場合は、過去の公開されている取引から、相場が知ることが出来るので問題はありません。ただ、価値の判断が難しいもの(限定品で今は手に入らないプレミア品、セット売り、アート系のもの等々)は適正な価格が判断がつきません。そのため、高値で売ることを目的としているのならば、フリマ系のサービスは適しません。欲しい人がいる限り競り上がっていく、オークションでやるのが適しています。

 

 

 

ここからが本題、

住宅だったりマンションといった不動産は基本的に同じものは存在しません。確かに、駅からの距離とか、広さとか、材質等の諸々によって計算された相場は存在します。しかし、あくまで相場は相場です。

先程も言いましたが、不動産は同じものが存在しません。そのため、欲しい人はとても欲しくなるわけです。

個人によって価値が変わるわけですから、今のような早い者勝ちよりも、高い値段で売れるんじゃね?ということで考えられたのが「不動産オークション」になります。

海外では既にアメリカのRentberryやカナダのBidwellをはじめ、大変賑わっているようです。

そして日本も昔ありました。

マザーズオークションというサービスが

今はありません。

美輪さんがCMしてました。


マザーズオークション CM

 

 

このサービスの目的もさきほど僕が言ったように売り主が、より高い価格で物件を売ることを目的としていました。

全体の流れとしては、
1.売り主は不動産会社に物件の売却を依頼

2.媒介契約を結んだ不動産会社は、マザーズオークションに物件の掲載する

3.掲載された物件を観た登録者は、一般のネットオークションと同様に入札していく

4.最高額を入札した人が落札者になり、取引権利が獲得できる

5.落札者と売り主は不動産会社を介して売買契約を行う

取引完了!! 

f:id:xoggkllo00:20170912174425p:plain

マザーズオークションの流れ

一見すると素晴らしいじゃないか!と思えるかもしれませんが実は問題点がいくつかありました。その問題点が以下になります。

・片手取引であること

・不動産会社の負担が大きい

・買い主の事を考えてない

 

片手取引であること

マザーズオークションでは、売り主からの仲介手数料は不動産会社に、買い主からの仲介手数料はマザーズオークションに入る仕組みになっていまいた。いい物件だろうが悪い物件だろうが、出品したら半分の仲介手数料を取られます。そうなってくると、優良物件をわざわざ出品する旨味がないわけです。優良物件なんだから、買い手は見つかるわけですし、自分で見つければ両手取引で両方から仲介手数料をもらえます。そのため、不動産会社からすると買い手を見つけるのが難しい物件ならまだしも、優良物件を出すメリットがないわけです。

 

不動産会社の負担が大きい

マザーズオークションでは、情報の透明性を保つために掲載する物件の情報をかなり詳細に明記することを義務付けていました。重要事項説明時と同等のレベルのものを要求していたそうです。本来、不動産会社は、このレベルの資料の作成は、買い主が見つかり、もうほとんど契約と重要事項説明くらいの段階でのみ行います。それを、見つかってもいない、買う人が出るかもわからない、お金が発生するかもわからない、その段階で行うわけです。不動産会社からしたら、出品するのも大変だし、出品するのに働いた分の金が返ってくるかもわからないわけです。

 

買い主の事を考えていない

当たり前ですけれども買う方は、出来る限り安く買いたいというのが心情なわけです。ヤフオクを思い出してもらうとわかりやすいですが、あそこで落札されている商品(一般に流通しているもの)は、基本的に新品の定価や中古ショップの相場よりも安い価格で取引されています。そのため、エンドユーザからすると「相場よりも安く変えるのなら良いけども、最低落札価格が相場とそんなに変わんないんじゃ旨味ないやん。しかも仲介手数料も普通に払わなアカンし。」という事が起きます。売り主は高く買ってほしい、対してエンドユーザは優良物件を格安で手に入れたいわけです。

 

総括すると

片手取引→いい物件は出ない

不動産会社の負担が大きい→物件数が少ない

旨味のある物件が手に入らない→利用者が減る

結果、負のスパイラルで入札率、落札率、物件数は減っていき消失したというのがマザーズオークションの顛末になります。

 

 実際に利用したこともなければ、ページを閲覧したこともない僕が言えた義理ではありませんが、一般的なネットオークションのフレームに不動産を当てはめただけだなというのが個人的な感想です。

オークション形式で不動産取引で重要なのは、その物件を欲しがるユーザを引っ張ってくることなわけです。冒頭でも言いましたが、不動産は基本的に同じものはありません。場所、間取り、内装、材質、近隣etc...。それらひっくるめて、この物件がほしいと思う買い主がいて初めて成立します。

コレクション価値がある者は、興味のない人からすれば大した価値ではありませんが、欲しい人からすれば大きなお金が発生します。不動産も同様で、出品されている物件をほしがる人、数人がいることで正しく相場より高くなる事が起きると思います。

マザーズオークションでは、エンドユーザがサービスのページに記載されている物件情報を元に入札を行うわけですが、検索システムとか内見が出来るのか、詳しくはわかりませんが、結局そういった出品されている物件をほしがる人間をマッチングできなかったのだと思います。だから、出来る限り安く買いたいと思っているエンドユーザっていうのは、完全に投資目的の人間なわけですから、それは成立しないでしょうね。

 

 

 

さて、ここからが本題です(2回目)

先程まで言ったように、従来の不動産オークションは、一般的なネットオークションの形式に依存しすぎたために、まともに機能しなかったのだと私は考えています。だから、より不動産取引あった形式ならうまくいくのではと思っています。それで、マザーズオークション以降の日本の不動産オークションサービスを調べたんですよ。そしたら、とてもおもしろそうなサービスが有りました。

http://eajt.co.jp/index.html

エスクロー・エージェント・ジャパン信託という会社

ここの不動産事業として不動産オークションをやっています。この企業がやっている不動産オークションでは、マイホームではなく、事業用不動産を対象にサービスを行っています。事業用不動産というのは、テナントやマンションといった収益を得ることを目的とした不動産になります。事業用不動産なので基本的に法人になります。法人なので、個人と違い、法人ならではの事情やお財布の問題で取引がしやすいというのがあります。

それで何が面白かったのかというと、この会社の取引までの流れがオークションすることを考えられているのが面白かったわけですよ。マザーズオークションの方式だと自分のほしい物件は、自分で調べ自分で見つけなくてはなりませんでいた。この企業では事業用不動産ということもあり、事前に営業用の企業を調べて、どういった物件を欲しがっているのが事前に把握し、リスト化しておきます。営業先のリストと物件情報を元に、欲しがりそうな会社(もしくは個人)に営業していく。それによって最大8人まで、その物件をほしがる入札者をつのり、その上でオークションを行うという仕組みになります。

マザーズオークションだと媒介契約は、マザーズオークションと提携している不動産会社が行い、物件の調査も不動産会社が行っていました。このサービスだと、媒介契約を行っているの自社のため囲い込みの心配もなく、自社で物件調査も行っているので面倒事にならないわけです。

それでいて、売主の物件に対して欲しがりそうな買い主を複数人見つけてきて、競わせる。おや?可能性が見えました。

世に出て間もないサービスなので、取引がどれくらい行われいるのかわかりませんが、この形態が上手く言ってくれれば、色々と不動産取引のあり方が変わりそうです。

 

あと、この企業、不動産取引にブロックチェーンを用いるために実験を行っているみたいです。不動産テックに事業にも率先的に取り組んでいるようですし、営業先のリストとかも電子化して効率的に絞込とかしていそうです。

goodway.co.jp

 

 

まとめ

そもそも何で今回、不動産オークションの話をしたのかというと、僕が不動産の特に居住用不動産を如何にして価値を高めて売却するのかということに付いて調べていたからなんですよ。現状の不動産売却の流れだと、やっぱり優良物件は囲い込みでさくっと売られたりだとか、相場と変わらないくらいの値段で売れたとか。売り主が時間的な問題で早く売りたいとかならわかりますけれども、やっぱり売る人は、その後のこととかで高い値段で売りたいわけです。そうなってくると、自分の所有する不動産を、それを欲しがる人に売ることが一番適した手段だと考えたわけです。ただ、創作物のように、うまいこと欲しい人と欲しい物をくっつけるのは、とても大変なことだと思います。だからこそ、あれだけの不動産会社が全国にあるわけですから。

先程、お話したエスクロー・エージェント・ジャパンの不動産オークションは、自社で営業先を事前にリスト化することで、マッチングを行っていました。之と同じことを一般住宅でやろうとしたら、大変でしょうね。営業する対象も多い、値段も事業用不動産よりも小さい。そうなるとやっぱり、営業や資料作成の部分のコスト削減を行う必要があるのだと思います。

海外だと既にそういった動きが始まっていて、有名な話だとfacebookの夫婦のステータスが離婚になると、片方は家を買いやすいという傾向を発見し、それを営業の指標としているみたいです。タクシードライバーのAIの事例もそうですけど、経験と言われているものは機械学習のモデルとして落とし込めるわけです。日本だと不動産取引の電子化があまり進んでいないということも有って、似たようなことが進みにくいということもありますが、不動産側も完全拒否という感じはしませんし、泥沼ですけど進んでいきそうな気はします。

www.nikkei.com

ただ、取引の電子化で、どういった人がこの時期に購入しやすいとかは、やれそうなんですが、それだけではマッチングを行うのに情報量が十分では無いと私は考えています。

やっぱり、ポータルサイトで見ているものだけだと、値段だとか築年数とか、間取りとかありますが、やっぱりそれくらいしか判断材料にないわけで、たとえばその人が騒音がとても気になる方かもしれないし、空気の入れ替えが良いところを好むかもしれない、そういった部分というのは実際に済んでみて経験しないとわからないのが現状だと思います。ただ、そういったところをサポートするのがテクノロジーの役割ですし、それを実現するためには物件・エンドユーザ含め十分な情報量も必要になります。

エンドユーザ側の情報量は、不動産テックに限らず、あらゆるテック系が介入してくるので、インフラの発展も解析の発展も無事進んでいきそうな気はします。ただ、物件の情報を増やすとなると、情報量の多さが期待値の低下につながるので、色々と大変な気はします。こういう風に書くと、まるで売り主・不動産会社が悪いみたいに聞こえますが、全然悪くないです。お金は誰でもほしいです。

なので、仕組みとしえは情報量を増やすことが顧客の増加や売値の向上とか、そういったところに直結することが可能な仕組みを作ることが、物件全体の情報量を増やす手段として必要なのかなと色々と調べて感じました。

 

 

不動産テック勉強会#7に行ってきました

8月22日に開催された不動産テック勉強会#7に参加してきました。
itandi.connpass.com


もともと知ってて、行ってみたかったけど京都に住んでる学生にとっては悩ましい所でした。
ただ今回は、別件で東京に行く用事があったので行ってきました。



それで今回のメインのお話がブロックチェーンという技術。
凄くざっくりいうと、分散して情報を記録することでデータが改竄されていないことを保証してくれる技術(専門の人には起こられそうな説明)
そのため、改竄されては困るような送金記録や契約の記録などの保証が可能になります。



それでいろんな企業の方が自社でのブロックチェーンの活用事例だったりを說明してくださったんですが、
特に気になったのがLIFULLさんが話してくださった不動産情報の一元管理のためのブロックチェーンの活用が個人的にはそそる内容でした。

現在LIFULLさんも独自の不動産のデータベースを持っていて
不動産の使用情報や、過去の価格情報を元に対象の不動産の価格を推定を行っているのですが
登壇者の方が言うには、その情報に改ざんがされていないかどうかの保証があるのかと言われるそうです。
あと、現在空き室があってもそれが現在本当に空き室になっているかの更新が難しいそうです。
例えば、ある仲介業者のページAで募集を見て、
その物件を契約したいと思った場合、
募集をかけていた仲介業者を通じて契約を行わけですが
その時に既に他の方によって先に差し押さえられている可能性があります。
というのも、これは仲介業者によって掲示されている物件情報は
売り手の申告によって更新されるためだそうです。
そのため、現状の仕組みだと、それの少し前に他の方が別の仲介業者Bを見て、
契約を行っている場合に先のような事態が起こってしまいます。

より利用者に質の高いサービスを提供するにあたっては
やはりこのように統合のデータベースを使うことは正しいのですが
ビジネス的な観点でやはり他社との優位性を示したいわけで
そうなってくると情報の一元化というのはあまりスムーズではないとことです。
あと、ブロックチェーンによって情報が改変されていないかの保証はされているんだけれども、
そもそもが間違ってた情報を提供されていたら問題だよねとも言われていました。


ただ、そういった難しいところは有るものの不動産統一データベースによって
データ分析やAIによる新たなサービスの幅が広がります。


このようにエンジニアの視点だと色々とハッピーな妄想が広がるのですが
前途多難だろうなというのが個人的な感想です。


仮に不動産情報を統合できたとしても
優良物件はデータベースに追加される前にコネクションの強い投資家や仲介業者に
管理会社が流す可能性が高そうです。
後、過去に似たようなことを国主体でやったことが有ったそうです。
ただ、その時は失敗したそうです。
というのも、各不動産会社が独自で別の記録をつけているので二度手間になってしまい衰退してしまったためだそうです。



統一データベースは、色々と使い所があって多種多様なサービスが出現する兆しになりそうですが
現状、不動産側にもメリットを提示して進めていく必要がありそうだなと感じました。

之以外でも不動産テックは年々勢いをましてっていますし、
今後さらなる知名度と投資が行われていきそうですが
単純にエンジニアよりのサービス展開だと「おうちダイレクト」のように上手く普及しないのだと思います。
現状、売り手側にも買い手側にも不動産にITを持ち込むことに抵抗があるでしょうし、知識もありません。


ただ、やっぱり不動産とITの掛け合わせには夢がありますし、より良い暮らしに発展させることが出来ると思います。
なので、いきなり両側盛り込んだサービスよりも仲介会社、売り手、買い手、各々に向けたものから進めていくのが発展につながるかなと感じました。






P.S.
イタンジの方々が優しすぎて涙が出ました。