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【感想】ルポ 地域創生 ~なぜヨーロッパのまちは元気なのか~

都市発展のに関しての本やネット記事はいくつか目を通しているのですが、個人的にとても面白く勉強になったので、今回記事にしてみました。

 

概要

スマートシティや不動産テックの発展具合を見ての通り、事暮らしにおいて欧州・アメリカは日本よりも全体的に徹底しています。こういう技術的に介入が積極的に行われている背景として、住人が自分たちの街に誇りを持っているということが挙げられます。そのため、欧州やアメリカの都市を回った人がよく言う感想として「街自体がとていも元気」というのがよく出てきます。

こういう前向きな感情があるからこそ、街が活気あるものになり、より良いものにしていこうと暮らしに関する新しい技術が介入しやすい環境が出来上がっています。

ただ、欧州やアメリカの都市の全部が全部賑わっているわけではないです。今、賑わっている都市が賑わった要因として、元から世界遺産や産業が有ったから賑わった都市もありますが、住人たちが自身たちで立ち上げ、発展させていったものもあります。

この書籍では、後者の事例を対象に取り上げ、実際に元は落ちぶれていた街が自分たちの街の強みをつくって、誇りを持ち、発展させていった事例について紹介しています。また、その成功事例に近い日本の成功事例や、どう改善していったら日本で出来るかについて解説しています。

 

 

感想

シンプルに面白かったです!海外の事例や日本の最新の事例など勉強になりました!!

木下さんがちょっと前に出した「福岡市が地方最強の都市になった理由」や

www.php.co.jp

他の方の地方創生系の記事でも言われていることですが、基本的に真似事をやったとしても地方が活性化することはないですよね。テナントビルを作ろうが、商業施設をつくろうが、インフラの充実度がもとより上がったとしても、お金を持っている都会に勝つことは不可能だからです。

この書籍でも同じことを言っていて、やっぱり独自で模索して「他の地域にない特性」をつくって「自分たちが好きになる」街を作っていました。

僕が今まで地方創生としてイメージしていたのが世界遺産とかアニメの聖地、きれいな景色といった観光名所などの「自他ともにわかる魅力」をもっている街だったんですね。

やっぱり色々な方の書籍や記事を読んで思ったのは、国に依存しない経済基盤を持っているかどうかで教育や仕事、インフラなどに投資できるパワーがあるかどうかが、住んでくれるかどうでかなり重要という事です。よく聞く限界集落や消滅可能性都市も消滅する最初の要因として仕事や教育の不十分さを聞きます。そういった市町村に生まれた若人は、満足した教育、仕事、インフラを享受するために都会に出ていきます。

ただ、あくまでこれは必要条件なだけで、それなりに充実していったら、そこからは各地域の相性のように感じます。だからこそ、自分の街に誇りを持てるようなものを持てるようなものを作る必要なんだと思います。この書籍でも地熱発電について触れているところがあって、地元の人が最初は抵抗があって導入するのを嫌がってた地熱発電を、街の勢いをつけるために相談に相談を重ねて設置したという話があります。それがきっかけで、誇りや勢いがつくようになって現在進行系で発展させてるみたいです。観光名所が出来て世間的に有名になって人が来ることも大事ですが、それよりもまず既に住んでいる人が誇りを持てるような事業なり行事等を持つことが何よりも大切なのだと、この書籍を読んで考えるようになりました。